貿易の場合は国内での取引とは異なり売主と買主がお互いのことをよく知らないことが多く、売主としては商品を発送してもすぐには代金を回収できず資金的なリスクが高く、買主も輸送中のトラブル等により適切な状態で商品が届くかどうかの不安があります!
国をまたいだ取引となるため通貨の交換が必要となり決済方法が複雑化したり、為替変動のリスクなども付いて回ります
このような多様なリスクに対応するために貿易取引の場合には多くの関係者が絡み、様々な書類の作成など手続きが複雑になりがちです
そこで今回は貿易実務検定 C級を独学で勉強される方向けに試験でもよく問われる信用状について解説したいと思います!
信用状の役割
信用状(L/C : Letter of Credit)は買主(輸入者)の依頼によって買主の取引銀行が売主(輸出者)向けに発行する支払確約書のことで、この信用状に記載されている条件と船積書類が合致している場合に信用状を発行した銀行が為替手形の支払いを確約するものとなります!
売主にとっては商品の船積のタイミングとほぼ同時に代金を回収できるメリットがあり、資金負担を軽減できます!
買主にとっては代金を支払えば商品受け取りに必要な船荷証券(B/L)などの船積書類を受け取ることができ支払いとほぼ同じタイミングで商品を受け取ることができるメリットがあります!
特に売主にとってはよく知らない相手の場合にちゃんと代金を払ってくれるのか不安がありますが、信用力のある銀行が代金支払いを保証してくれるため安心して取引ができます!
信用状の種類について
信用状には以下のような種類があります!
取消不能信用状 | Irrevocable L/C 信用状関係者全員の同意がなければ取り消しができない信用状 一般的な普通の信用状のこと 信用状統一規則(UCP600)では全ての信用状が取消不能とされる |
確認信用状 | Confirmed L/C 信用度の低い発行銀行が発行する信用状に対し他の国際的に信用度の 高い銀行がさらに支払保証を付けた信用状のこと |
買取銀行指定信用状 | Restricted L/C 輸出地の買取銀行を指定する信用状のこと 買取銀行の指定のないものはオープン信用状(Open L/C)と呼ばれる |
譲渡可能信用状 | Transferable L/C 金額の全部または一部を一度だけ第三者に譲渡できる信用状のこと 信用度の低い輸出業者が間に入り商品を仕入れる場合などに使われる 輸出業者は信用状に記載された譲渡金額を手数料として受け取れる |
回転信用状 | Revolving L/C 継続的な取引などの場合に使われる信用状のこと 一定条件のもとで信用状の残高が元の金額に復元される信用状 クレジットカードの限度額(リボ払い)のようなイメージ |
用語の解説
発行依頼人 | Applicant 信用状発行を依頼する買主(輸入者) |
発行銀行 | Issuing Bank 発行を依頼する買主の取引銀行 |
受益者 | Beneficiary 信用状を受け取る売主(輸出者) |
買取銀行 | Negotiating Bank 荷為替手形の買取を行う銀行 |
通知銀行 | Advising Bank 発行銀行から指示を受けて売主(輸出者)に信用状を通知する銀行 |
前回・次回の内容紹介
前回は「貿易の流れ」について解説しております(^^♪
次回は「インコタームズ」について解説していきます!
貿易実務検定 C級の受験情報
受験情報につきましては以下の記事にて解説をしております!
スケジュールに合わせた目標設定が大事!
参考動画のご紹介
下記のyoutube動画を参考にさせていただいておりますので、ご興味のある方はご参照くださいm(_ _)m
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