スポンサーリンク

【貿易実務検定 C級の独学】No.03 インコタームズについて解説!

資格・検定

貿易実務検定C級では、インコタームズ2020に基づく11種類の条件にもとづく基本的な知識が問われます!

インコタームズ2020(Incoterms® 2020)は、国際商業会議所(ICC)が定めた国際貿易における取引条件を示す規則であり、売主と買主の責任、費用負担、リスクの移転について明確にします。国際貿易における取引条件を標準化することで、異なる国や地域の商習慣の違いによる誤解やトラブルを防ぐことを目的としています。これにより、売主と買主がどのように責任を分担するかを明確にし、トラブルを未然に防ぐことで取引を円滑に進めることができます(^^♪

インコタームズは約10年ごとに改訂され、最新の商慣行を反映しています!

インコタームズ2020の主な特徴

インコタームズ2020は、以下の「いかなる輸送手段にも適した規則」と「海上および内陸水路輸送のための規則」の2つのカテゴリに分かれています。

いかなる輸送手段にも適した規則

こちらのカテゴリに含まれるものは近年の輸送手段の多様化に合わせるため、陸上輸送、海上輸送、航空輸送など、様々な輸送手段に対応できるように設計されています。これにより、異なる輸送方法を利用する取引においても、同じルールを適用でき、取引の柔軟性が高まることとなります。

名称内容説明
EXW(Ex Works)通称「工場渡し」と呼ばれます。
売主は商品を自社の施設にて買主に引き渡すまでの責任を負います。その後の費用とリスクについて買主が負担することとなります。
FCA(Free Carrier)通称「運送人渡し」と呼ばれます。
売主は指定された場所にて買主が指定した運送業者に商品を引き渡すまでの費用とリスクを負うこととなります。
CPT(Carriage Paid To)通称「輸送費込み」と呼ばれます。
売主が指定した運送業者に商品を引き渡した時点でリスクが買主に移転しますが、運送費は売主が負担することとなります。
CIP(Carriage and Insurance Paid To)通称「 輸送費保険料込み」と呼ばれます。
上記のCPTに加え、保険料も売主が負担することとなります。
DAP(Delivered at Place)通称「仕向地持込渡し」と呼ばれます。
売主は指定された場所まで商品を運び、その間のリスクを負いますが、輸入通関は買主の責任となります。
DPU(Delivered at Place Unloaded)通称「荷卸込持込渡し」と呼ばれます。
売主は指定された場所で商品を荷卸し、そこまでの費用とリスクを負担することとなります。
DDP(Delivered Duty Paid):通称「関税込持込渡し」と呼ばれます。
売主は指定された場所まで商品を運び、すべての費用とリスクを負担することとなります。

海上および内陸水路輸送のための規則

こちらのカテゴリでは、主に海上輸送や内陸水路輸送に特化しており、従来の船舶の特性や港での取引慣行に基づいて設計されております。海上輸送では、貨物の積み込みやリスクの移転が船上で行われるため、これらの条件を覚えることが特に重要です!

名称内容説明
FAS(Free Alongside Ship)通称「船側渡し」と呼ばれます。
売主は商品を船の隣まで運び、その後の費用とリスクは買主が負担することとなります。
FOB(Free On Board)通称「本船渡し」と呼ばれます。
売主は商品を船に積み込むまでの責任を負い、その後の費用とリスクは買主が負担することとなります。
CFR(Cost and Freight)通称「運賃込み」と呼ばれます。
売主は商品を船に積み込むまでの責任を負い、運賃も支払いますが、品物が船に積み込まれた直後からリスクは買主に移転します。
CIF(Cost, Insurance and Freight)通称「運賃保険料込み」と呼ばれます。
上記のCFRに加え、保険料も売主が負担することとなります。

リスク負担と費用負担の理解

インコタームズを覚える際には、リスク負担と費用負担の観点から理解することが重要です。以下に、インコタームズの基本的なポイントをまとめます。

リスク負担

リスク負担の移転とは、輸送中に発生する事故や損失に対する責任が、売主から買主に移転するタイミングを指します。インコタームズでは、各条件ごとにリスクが移転するポイントが異なります。例えば以下のような例が挙げられます。

  • EXW(Ex Works): 売主は自社の施設で商品を引き渡すまで責任を負い、その後のリスクは買主が負担します。
  • FOB(Free On Board): 商品が船に積み込まれるまで売主がリスクを負い、積み込まれた時点で買主に移転します。
  • DDP(Delivered Duty Paid): 売主が指定された場所まで商品を運び、すべてのリスクを負担します。

費用負担

費用負担については、輸送にかかる費用(運送料、保険料、通関費用など)を売主と買主がどのように分担するかを示します。インコタームズでは、各条件に応じて費用の負担範囲が異なります。例えば以下のような例が挙げられます。

  • CPT(Carriage Paid To): 売主が運賃を支払いますが、リスクは指定された地点で買主に移転します。
  • CIF(Cost, Insurance and Freight): 売主が運賃と保険料を負担しますが、リスクは船に積み込まれた時点で買主に移転します。
  • DAP(Delivered at Place): 売主が指定された場所までのすべての費用を負担しますが、輸入通関は買主の責任です。

覚える際のポイント

インコタームズを覚える、暗記する際には、以下のポイントを押さえると頭の中が整理され内容を理解しやすくなりますので、これらを意識し学習を進めると良いでしょう。

グループ分け

インコタームズは、Eグループ、Fグループ、Cグループ、Dグループの4つに分類されます。各グループの特徴を理解することで、条件の違いを把握しやすくなります。

グループ責任費用負担リスク移転
E売主の責任は最小限、商品を自社の施設で引き渡すのみ買主が輸出通関、輸送費用、保険料など、すべての費用を負担商品が売主の施設で引き渡された時点で、リスクが買主に移転
F売主は指定された地点までの輸送と輸出通関を行う売主は指定地点までの費用を負担し、それ以降は買主が負担商品が指定された地点で引き渡された時点で、リスクが買主に移転
C売主は目的地までの輸送費用を負担、リスクは途中で買主に移転売主が運賃(およびCIF、CIPでは保険料)を負担商品が輸送業者に引き渡された時点で、リスクが買主に移転
D売主が目的地までのすべての責任を負う売主が目的地までのすべての費用を負担(DDPでは関税も含む)商品が目的地に到着し、指定された場所で引き渡された時点で、リスクが買主に移転

リスクと費用の移転ポイント

各条件ごとにリスクと費用の移転ポイントを明確に理解することが重要です。特に、どの時点で責任が移るのかを把握することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

実務での活用

貿易実務においては、インコタームズを契約書に明記することが一般的です。具体的な取引条件を設定する際には、リスクと費用の分担を明確にすることが求められます。

このように、インコタームズを理解するためには、リスク負担と費用負担の観点から各条件を整理し、実務に活かすことが重要です。

まとめ

貿易実務検定C級では、インコタームズの基本的な知識やリスクと費用の移転、実務での適用について理解していることが求められます。これらの知識をしっかりと身につけることで、試験に合格するための基盤を築くことができます。

前回・次回の内容紹介

前回は「信用状」について解説しております(^^♪

【貿易実務検定 C級の独学】No.02 信用状について解説!
貿易の場合は国内での取引とは異なり売主と買主がお互いのことをよく知らないことが多く、多様なリスクに対応するために貿易取引の場合には多くの関係者が絡み、様々な書類の作成など手続きが複雑になりがちです!そこで今回は貿易実務検定 C級を独学で勉強される方向けに試験でもよく問われる信用状について解説したいと思います!

次回分はただいま準備中ですm(_ _)m

貿易実務英語の対策

英語対策については以下の記事にて解説しております(^^♪

貿易実務検定C級の英語対策 ~効果的な学習方法と合格のコツ(英単語・慣用句編)~
こんにちは!今回は、貿易実務検定C級の英語科目について、効果的な学習方法と合格のコツをお伝えします。過去問を分析し分類した頻出の英単語・慣用句もまとめましたので学習の参考にご利用ください。
貿易実務検定C級の英語対策 ~効果的な学習方法と合格のコツ(ビジネスレター編)~
こんにちは!今回は、貿易実務検定C級の英語科目について、効果的な学習方法と合格のコツをお伝えします。前回の投稿に引き続き問3のビジネスレターの攻略方法を解説します。

貿易実務検定 C級の受験情報

受験情報につきましては以下の記事にて解説をしております!

サム
サム

スケジュールに合わせた目標設定が大事!

貿易実務検定C級の試験を受けてみた
貿易実務検定C級の試験を受けてみたので感想や勉強方法についてお伝えします!

コメント

タイトルとURLをコピーしました