貿易の場合は国内での取引とは異なり国境を超えた売買であるため売主と買主がお互いのことをよく知らないといったことが多々あります
また商品の輸送は長距離となる傾向があり、期間もその分長くかかるといった特徴もあります
売主としては商品を発送してもすぐには代金を回収できず資金的なリスクが高くなり、
買主の方も輸送中のトラブル等により適切な状態で商品が届くかどうかの不安があります
国をまたいだ取引となるため通貨の交換が必要となり決済方法が複雑化したり、為替変動のリスクなども付いて回ります
このような多様なリスクに対応するために貿易取引の場合には多くの関係者が絡み、様々な書類の作成など手続きが複雑になりがちです
まずは大まかな貿易の流れを捉え全体像を把握したうえで個別の論点について内容を掘り下げていくことが理解を早めるために役立ちます!
そこで今回は貿易実務検定 C級を独学で勉強される方向けに貿易の流れの全体像と主要な手続き書類について解説したいと思います!
貿易の流れ
貿易取引ではモノ・カネ・カミの3つの流れが存在します
1. モノの流れ | 売買される商品の輸送に関する流れ |
2. カネの流れ | 商品の代金の支払いに関する流れ |
3. カミの流れ | 商品の売買契約から受け取りまでに必要な書類の作成、発送などの流れ |
この流れに関わる関係者は、
- 売主(輸出者)
- 買主(輸入者)
- 船会社
- 銀行
- 税関
などが挙げられます
主要な書類としては、
- 信用状(L/C:Letter of Credit)
- 船荷証券(B/L:Bill of Lading)
が発行されます
ここで以下のような取引について考えてみたいと思います
日本にいる輸入者とアメリカにいる輸出者が商品(キャットフード)の売買契約を結んだと仮定します
ここで輸入者と輸出者はお互いに初めての取引であるとすると、
輸入者としては相手が本当に商品を送ってくれるか不安があり、
輸出者としては相手が本当に代金を支払ってくれるか不安があるということになります
こうしたリスクを解決するための方法として信用状や船荷証券が利用されます
信用状は輸入者(買主)の取引銀行が代金支払いについて保証してくれるというもので、輸出者側の銀行は保証があるため買主に代わり売主に対し立替え払いをしてくれるようになります
また船荷証券は商品の引換券のようなもので輸入者は銀行に代金を支払えば商品の受け取りに必要な船荷証券を手に入れることができます
これらにより輸入者は代金支払いとほぼ同時期に商品を受け取ることができ、輸出者も商品の発送とほぼ同時期に代金を回収できることとなり資金負担のリスクが解消されます
もう少し貿易の流れを詳しく説明すると以下のフローチャートのようになり①~⑳の手続きの流れに沿ってモノ・カネ・カミの流れが表されます
手続き書類について
上のフローチャートに出てくる書類の説明は以下の通りとなります!
信用状(L/C:Letter of Credit) | 輸入者の取引銀行が代金の受取人である輸出者に対し、 輸入者に代わり代金の支払いを確約する保証状のこと |
船荷証券(B/L:Bill of Lading) | 船会社に商品が受け渡されると発行される 有価証券の一種であり、輸入者が商品を受け取るために 必要となる |
荷為替手形 | 輸出者が振出した為替手形に船荷証券などの船積書類を 添付したものを荷為替手形と呼ぶ |
荷渡指図書(D/O:Delivery Order) | 船会社がコンテナ・ヤードオペレータやコンテナ・ フレート・ステーションオペレータに商品の引き渡し を指示するための書類 |
次回の内容紹介
次回は「信用状」について解説しております♪
貿易実務英語の対策
英語対策については以下の記事にて解説しております(^^♪
貿易実務検定 C級の受験情報
受験情報につきましては以下の記事にて解説をしております!
スケジュールに合わせた目標設定が大事!
参考動画のご紹介
下記のyoutube動画を参考にさせていただいておりますので、ご興味のある方はご参照くださいm(_ _)m
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