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【貿易実務検定 C級の独学】No.04 貨物海上保険について解説!

資格・検定

貨物海上保険は、貿易取引に係る貨物が船舶、航空機などで輸送されている間に発生した損害や損失を補償するための保険です!

貿易実務において非常に重要な要素であり、特に貿易実務検定C級の受験者にとっては理解が不可欠です。以下に、貨物海上保険に関する主要なポイントをまとめます。

付保手続きについて

貨物海上保険における付保手続き(保険をかける手続き)は、予定保険と確定保険の2つの主要な形態に分かれます。それぞれの特徴と違いについて詳しく説明します。

予定保険 (Provisional Insurance)

  • 定義: 予定保険は、貨物の詳細が確定する前に、リスクが開始する前に保険をかける形態です。具体的な貨物の情報(数量、価額、積載船名など)が不明な場合でも、無保険状態を避けるために契約されます。
  • 手続き: 予定保険を締結する際には、保険会社に対して申込書を提出し、必要事項を記入します。船積みの詳細が分かり次第、確定通知を行い、貨物が実際に輸送される際には以下の確定保険契約に切り替える必要があります。
  • 特徴:リスクが開始する前に保険をかけるため、急な手続きが可能です。確定通知を行うことで、保険内容が正式に確定します。予定保険の契約者は、無事故で輸入港に到着しても、必ず確定保険に切り替え、保険料を支払う必要があります。
  • 包括予定保険契約と個別予定保険契約包括予定保険は継続的に貨物を輸出入する場合や、特定の貨物や積み荷ごとに個別に保険契約を結ぶ必要がない場合に適しています。効率的な契約管理と保険料の後払いがメリットとなります。一方で個別予定保険は貨物の詳細が不明な場合や、高価な貨物の輸送など、定型的な輸送実態がなく毎回独自の条件が必要な場合に適しています。ただし、手続きが煩雑になる可能性があります

確定保険 (Confirmed Insurance)

  • 定義: 確定保険は、貨物の詳細が確定した後に申込む保険です。通常、船荷証券(B/L)が発行された後に契約されます。
  • 手続き: 予定保険から確定保険に切り替える際には、船積みの詳細が分かり次第、正確な情報を記載した申込書を保険会社に提出します。この際、保険料の支払いも行います。
  • 特徴:確定した情報に基づいて保険が適用されるため、より正確な補償が期待できます。確定保険に切り替えた後は、保険契約が正式に成立し、保険金の請求が可能になります。

付保手続きの流れ

  1. 予定保険の締結: 輸送開始前に、貨物の詳細が不明な場合でも、予定保険を締結しておくことで無保険状態を防ぎます。
  2. 確定通知: 船積みが行われ、貨物の詳細が分かった時点で、保険会社に確定通知を行います。この際、必要な情報を提供し、確定保険に切り替えます。
  3. 保険料の支払い: 確定保険に切り替えた際には、保険料を支払う必要があります。これにより、正式な保険契約が成立します。

保険金額と保険料

保険金額は、保険契約時に設定され、通常は貨物の価値に基づいて決定されます。特に、インコタームズの貿易条件においては、CIFまたはCIP価格に輸入者の希望利益10%を加算した金額と定められることが一般的です.

保険料は、保険金額に保険料率を乗じて算出されます。保険料率は、貨物の性質や輸送経路、損害率などに応じて算定されます。各保険会社が自由に設定する自由料率となっている点が重要です。

損害の種類について

貨物海上保険の基本的な構成要素として、以下の3つの損害の種類があります。

共同海損(General Average)

  • 共同海損は、船舶と貨物が共同の危険にさらされた場合に発生します。例えば、船が沈没の危険に直面した際、船長が一部の貨物を海に投げ出すことで全体の安全を確保する場合、その損害は船会社と全荷主が負担します。このルールは、全ての荷主が共同でリスクを分担することを目的としています。

単独海損(Particular Average)

  • 単独海損は、特定の貨物に対して発生した損害であり、その損害を受けた荷主が単独で負担します。
    • 全損(Total Loss): 全損には現実全損と推定全損があります。現実全損は貨物が完全に失われる場合を指し、推定全損は貨物の回収が不可能または非常に困難な場合を指します。
    • 分損(Partial Loss): 分損は、貨物の一部が損害を受けた状態を指します。分損はさらに特定分損とその他の分損に分類されます。特定分損は船舶の沈没、座礁、衝突、火災など特定の事故に起因する損害を指し、その他の分損はこれ以外の原因による損害を指します。

付加危険(Additional Risks)

  • 付加危険は、共同海損や単独海損には含まれない特別なリスクです。これには、戦争やストライキなどの非常時のリスクや、雨や淡水による濡れ損などが含まれます。这些リスクは基本的な保険条件には含まれておらず、別途特約として追加する必要があります

協会貨物約款(ICC)について

協会貨物約款は、国際商業会議所(ICC)が策定した貨物海上保険の標準的な約款であり、保険契約の内容や条件を明確にします。これにより、保険者と被保険者の権利と義務が定義され、国際取引におけるリスク管理が容易になります。主に以下の3つのタイプがあります。

特に、新旧ICC(Institute Cargo Clauses)の相違点や、それぞれの条件でカバーされる具体的なリスクについて理解を深めることが重要です。

  1. A条項(ICC(A)またはA/R、包括保険): すべてのリスクをカバーし、特定の除外事項を除いて、貨物が損害を受けた場合に保険金が支払われます。
  2. B条項(ICC(B)またはWA、限定保険): 一部のリスクのみをカバーし、特定の事故や損害に対してのみ保険金が支払われます。
  3. C条項(ICC(C)またはFPA、最小限の保険): 限定的なリスクをカバーし、最も安価な保険です。基本的な保護を提供します。その他の分損はカバーされません。

除外事項: 各条項には、カバーされないリスクも明記されています。例えば、戦争やストライキ、故意の損害などは通常、保険の対象外となります。これらのリスクは特約で上記の付加危険を補償対象に追加することでカバーすることができます。

まとめ

貨物海上保険は、貿易取引において貨物が輸送中に発生する損害や損失を補償する重要な保険であり、特に貿易実務検定C級の受験者にとって理解が不可欠です。保険の付保手続きは、予定保険と確定保険の2種類に分かれます。

保険金額は貨物の価値に基づきCIFまたはCIP価格に輸入者の希望利益10%を加算した金額と定められることが一般的です、保険料は保険金額に保険料率を乗じて算出されます。

損害の種類には、共同海損、単独海損、全損、分損があり、特に共同海損は船舶と貨物が共同の危険にさらされた場合に発生します。付加危険は、基本的な保険条件に含まれない特別なリスクであり、別途特約として追加する必要があります。

協会貨物約款(ICC)は、国際商業会議所が策定した標準的な約款で、保険契約の内容や条件を明確にし、リスク管理を容易にします。A条項、B条項、C条項の3種類があり、それぞれカバーするリスクの範囲が異なります。

これらの知識をしっかりと身につけることで、試験に合格するための基盤を築くことができます。

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次回分はただいま準備中ですm(_ _)m

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