新事業検討については最初はもれなく、網羅的に考えてから絞っていった方が良いのではないか?と思い参考になるようなものがないか調べたところ、小山竜央さん(「ハイパワー・マーケティング」:いわゆる卓越論に関する解説書の日本語版監修などで有名なマーケッターの方)のyoutubeチャンネルを見つけることができたので、その内容を中心にまとめてみました。
新事業立ち上げはいわゆる「0→1」を考えるところからスタートするため、以下のような流れで解説を参考にするのが有効ではないか?と思います。
流れとしては、
- 問題(不)の発掘
- 価格設定
- 集客方法
- 市場調査・データ解析
のようにしてみました。
問題(不)の発掘
問題の種類:悲しみ、苦しみ、不安、不快、不満、不便 ⇒ 一番大きな問題を抽出する
商品の性能や品質で勝負をしていくのは難しい ⇒ 問題解決の差別化が重要となる、問題の数だけ新しい切り口(コンセプト)となる
【有効な「不」であるか見極めるための条件】
- 他に解決している人がいるか?誰も目をつけていないか?(すでに解決されている、すぐ解決できる) いたとしてもまだ需要があるか?
- 今すぐ解決したい問題か?本当に世の中が解決を求めているものか?
- 自分だったら欲しいか?
- 現状の問題を認識しているか?「お客様が自分自身の問題を認識・確認しているか?」、人は自分自身の問題をそもそも認識していないもの、お客様は現状と未来のギャップで商品を買う、逆に言うと今の自分の現状を知らなければ買わない
- 再現性があるのか? 再現性の証明、「商品やサービスを手に入れることで私自身にも再現性があるのか?結果が出るのか?」が重要、「一部の人だけでしょ」と思われると買ってもらえない
- その「不」を解消することが収益につながるかどうか?
参考資料:
小山竜央さんの該当するyoutubeチャンネル
書籍では、「リクルートのすごい構創力」杉田浩章 著 p.60~p.62を参照
価格設定
【価格設定の本質】
「価値 = お客様がそこに対してお金を投資してもいいと思う金額」が大前提となる
価格設定の際には、「期待値」という概念が発生する、期待値を上回ると価値がある、下回ると価値がないと考える
価格設定方法は大きく分け以下2点、
- 利益から逆算する、3つの点=原価・需要・競合から決める
- ライバルが出している価格で出すor高単価で出す
また、価格設定をする際は次の2つの意見が対立する
- マーケッターとしての意見・マーケティング戦略(とにかくたくさんどうやって広めていくか?売るのか?)
- 財務の面・財務戦略(原価、現在のキャッシュ、これくらいお金を残したい)
落とし所としては、LTV(顧客生涯価値)の最大化という観点で考える、リピート・定期購入してくれることで最終的に利益になるという点を考えることが重要、以下の質問を念頭に置くべきである
- 質問① 1商品・1サービス当たりいくら利益が残る?
- 質問② 販売数の最大値が取れる一番ベストの価格は?
- 質問③ その価格で購入しても今後もリピートするのか?
ここから、「1商品・1サービス当たりの利益 × 販売数 × リピート数」 の掛け算の結果が最大化する価格は一体何か?を導き出す
価格設定に迷ったら、
- ライバルが出している価格で出すor高単価で出せるか
- ライバルよりも価値を感じてもらえるかどうか?
- その価格で買っても価値を感じてリピートしてくれるかどうか?
を考えるべきである
【値決めの方法論】
以下の6つの方法論が挙げられる
①コスト志向型価格設定
かかるコストに利幅を加算する方法
コストプラス法、マークアップ法、目標利益法の3種類がある
売れれば確実に利益が取れる、一方で商品・サービスを出す側の都合で価格設定するため市場に受け入れられにくい
②価格志向型価格設定
お客様がこのぐらいの価格を望んでいるだろうと予測し価格設定する
お客様の満足度、解決する問題に基づいて価格を設定する
人に紹介したいかどうか?
提供する価値で決めるため、比較的金額を上げやすい
③競合志向型価格設定
ライバルの価格を見て価格を設定する
市場の平均価格、牽引しているリーダー企業の価格帯を参考にすることが多い
ライバルより低価格でやることで集客にはつながるが、
商品・サービス出す側の都合を無視するような低価格設定にすると利益が取れなくなる
④需要志向型価格設定
販売する前にアンケートなどリサーチしたうえで価格設定を行う
お客様の感情、感覚でコントロールされているため受け入れられやすい一方で提供側の利益が得られない可能性がある
お客様は安い方が良いに決まっているため、意見を丸のみにして価格設定してしまうと利益が取れなくなる
お客様がこれだったら払っても良いという価格と売りたい側の希望価格との差を埋めるためにブランディング戦略、マーケティング戦略が必要となる
⑤心理的価格設定
価格が消費者の購買行動に対してどういう心理的影響があるのか考慮して設定する
例:1000円にするのではなく998円にすると安く感じる、8は末広がりで縁起が良いなど
ブランドステータス、習慣を考慮する
⑥プレミアム価格設定
ブランディングを上げて価格は高く設定しようという戦略、高品質・高級感
ブランディング戦略が一番価格差を付けやすい、中小企業・個人起業家におススメ
【価格設定戦略】
同導入していくかといった実際の戦略については以下9つの戦略が挙げられる
①スキミングプライシング戦略
製品・サービスを市場に導入して1番最初に価格を高めに設定する
市場で普及するにつれて段階的に価格を下げていく
価格が多少高くても新商品が欲しいというような顧客層がターゲット
すでに知名度がある、リストがある前提で行う戦略
目的として市場投入初期に利益をまず上げ、製品開発にかかったコストを早く回収する
例:iPhone、パンパース肌へのいちばん
②ペネトレーションプライシング戦略
低価格から入っていき市場シェアを取りに行く戦略、市場浸透を目指す
大企業のような資本、資金がないとできない
例:PayPay
③ダイナミックプライシング戦略
時期によって値段が変わる
価格変更により注文数、来客数など調整できる
頻繁に変わることによってお客様から不信感を抱かれて離れていく場合もある
一般的に使われ浸透している
一定の時期だけお客様を集中させたいときによく使える
ポイントはスケジュール
例:航空券、宿泊施設、リゾート施設、USJの入場券、Amazonのブラックフライデー
④コストリーダーシップ戦略
ライバルより低価格で商品・サービスを提供しながら原価を徹底的に抑え込み利益を確保する
非常に実現は難しい 基本的に強者の戦略
例:ユニクロ、サイゼリヤ
⑤高価格戦略(プレミアム価格戦略)
付加価値の高い製品・サービスを高価格で販売して利益を上げる方法
ブランドイメージ向上につながる
成功するポイントは、ブランド力・技術力・サービス力の3点のどれかがあるか
サービスの場合は何か1つに特化させる方が良い 差別化ができる
例:Apple製品
⑥ラグジュアリー価格戦略
機能・品質とかは無視、高価格戦略よりもさらに高い価格設定、
それを持っていることがステータスと認識されるもの
例:ルイヴィトン
⑦薄利多売戦略
商品の利益が少なくても、たくさん売れ広がっていくことで利益を積み上げる
⑧キャプティブプライシング戦略
メイン商品を1個決めて、それ以外の他のものでプラスにしていく
主製品の価格を安く設定し、それ以外のところで利益を取っていく、薄利多売戦略とセットで使われることもある
導入コストを低くし、メンテナンス用品で利益を取る
サブスクリプションなどにつながる
例:ラーメン店(幸楽苑)、ラーメンは安いけど餃子・チャーハンがセットで売れると儲かる
プリンタ(紙、インク代)
⑨フリーミアム戦略
基本的な製品・サービスを無料で提供して、そこから教育を行い最終的に高単価な商品・サービスを売る戦略
見込み客を集めて教育して売るという流れ
ダイレクトレスポンスマーケティングの王道手法
例:ソーシャルゲームの課金
【価格変更に関する注意点】
値上げをする場合は正当な理由があればよい、自己都合ではだめ
「値段を上げることによって皆さんのためになる」というストーリーを作る
「物価高で原価が上がっている」ではなく、「サービスの質を維持できない」と言い換える方が良い
昔からの付き合いで値段が上げられないケースは、あくまで価値提供で考える
相手がプラスになることは他にないか 頭を下げてお願いすれば無碍にされることは少ない
一律同率値上げはやらない、バラバラに設定することで心理的な忌避間を減らす
参考資料:
小山竜央さんの該当するyoutubeチャンネル
集客方法
勉強会、セミナーを開催することで成約率を上げる、主催or他社イベントに登壇
→そもそも商品・サービスの使い方が良く分からない場合などで有効ではないか?
お客様を教育し、自信の課題に気づいてもらうことで拡販につなげる
モニターを依頼し実績を積み上げる 知名度がある企業に使ってもらう
ノンオーガニック、オープンイノベーション、間借り戦略 ⇒ 実績のために小さなところで、ちょっとやってみる
参考資料:
小山竜央さんの該当するyoutubeチャンネル
市場調査・データ解析
ヒートマップツール、SEO対策、調査会社の活用などを考える上で以下のような情報が利用できると思われる
参考資料:
小山竜央さんの該当するyoutubeチャンネル
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