先日簿記3級について役に立つのかを解説しましたが、続けて2級についても解説したいと思います
前置きとして一言っておくと一般的な社会人であれば特にここまで取る必要はないかなぁと言うのが本音です
経理とか事務系の職種で出世したかったり、そっち系に転職したいのであれば知名度も高く、そこそこ有利になるというのが一般的な通説のようです
私自身としては工業簿記の方に興味があり、とりあえずそっちだけ勉強すれば良かったのですが、せっかくなので2級試験も受かるまで受け続けたといった感じです
よせばいいのに結局、商業簿記の方で苦戦して5~6回くらい受けてやっと受かった感じです
あくまで機械・制御系技術者としての立場での話となりますが、せっかくなのでどうゆう風に活用できるのかを解説していきたいと思います
設備投資の判断
このテーマ自体はどちらかというと1級の範囲に片足を突っ込んでしまうのですが、投資をするときの判断基準として「それをやって本当に儲かるの?」ってのを実際に投資を行う前に試算しないといけないわけです
2級の範囲で関係してくるのは減価償却費の定率法の部分でしょう
国税庁のホームページを検索すると建物や機械装置、車両運搬具など項目ごとに定額法、定率法どちらを適用するかが決められていることが分かります
3級では定額法までが範囲なのですが、2級で定率法について扱うことになります
特に機械装置というものは建物とかと違って技術の進歩によってすぐに陳腐化してしまう傾向があり、最初の1、2年で大きく価値が下がるため早いうちに多めに償却する方が実態に合っているとも言えます
また早く経費(減価償却費)として落としたい場合には定率法を使うことになります
要するに早く経費にすることで利益がその分減ってしまうのですが、これが良いのは法人税を払う際の負担がその分減るってことですね
2級まで勉強しておくと以上のようなことが何となく理解でき投資判断についてもある程度明確にジャッジできるようになるわけです
原価の把握
上記の設備投資とも切って離せない考えとして原価低減を進めるということが企業が利益を出すためには必要です(以下の式の右側の項目です)
利益 = 売上 ー 費用(原価)
原価というものを考えるときに重要な項目は以下の通りです
- 直接費と間接費
- 製造間接費の配賦
- 変動費と固定費
- 損益分岐点
- 工場の操業度
技術者の人件費というのは基本的には製造間接費に該当すると思いますので、最終的には製造部門で製作した製品の原価として乗っかってくるわけです
この辺の話をある程度理解したうえで原価低減なり改善なりを考えないと部分最適に陥ってしまったり、努力して施策を進めても何かうまくいかないといったことはあるあるネタなんじゃないでしょうか?
結局、人件費を減らすべきなのか、材料費を抑えればよいのか、工場の操業度を上げることで固定費(減価償却費や固定の人件費など)を按分した方が有利かとか、そういったことが分からないと何やってるの?ってことになりえます
そんな訳で私としては技術系の人でもある程度は簿記の知識があった方が良いのではないか?と思うのです
まとめ
端的にまとめると資格としての簿記2級は一般的な社会人にとっては必須ではないと思います
しかしながら企業に勤めるなり個人で事業を行うなり いずれにしてもファイナンス的な要素はつきまとうわけで最低限の知識があった方が何かと便利に事を運べると思います
技術系の人であれば原価低減というのは永遠のテーマだと思うのですが、そもそも原価ってどう計算するの? の状態で仕事をしていても何か曖昧になるんじゃないかと
資格として2級まで取る必要はなくとも社内研修などでこの辺について教育することは良いことではないかと私は提案いたします
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