簿記3級試験の対策として、まず先にやるべきこととして重要なことが仕訳を覚えることです!
そのためには資産、負債、純資産、費用、収益の5つに分類される勘定科目の使い方に慣れていくことが必要です!
「借方や貸方などどちらに書けばよいのか?」
など最初は迷ってしまうものですが仕訳を覚え、問題集を解いて書き方に慣れていけば大きく確実に前進できます!
以下に具体的な仕訳例など記載いたしますので独学で勉強される方などに参照いただけますと幸いです!
今回は第6回目となります!
今日もガンバル!
仕訳の解説
固定資産
固定資産は不動産なども含めた1年以上の長期間にわたって使用するもののことです
固定資産に関する重要な論点としては「減価償却費(費用)」がありますが、そちらにつきましては決算整理仕訳の項目にて解説したいと思います
今回は固定資産の購入時の仕訳について見ていきます
例は以下のようになります
例1)事務用に15万円のパソコンを後払いで購入した
この場合、パソコンは「備品(資産)」、後払いについては事業で扱う商品ではないため買掛金ではなく「未払金(負債)」の勘定科目を使用します
備品 150,000 | 未払金 150,000 |
(資産の増加) | (負債の増加) |
例2)営業用に180万円の自動車を購入し当座預金より支払った
この場合、自動車は「車両(資産)」または「車両運搬具(資産)」の勘定科目を使用します
車両運搬具 1,800,000 | 当座預金 1,800,000 |
(資産の増加) | (資産の減少) |
経費
経費については重要な論点はなく基本的には勘定科目と仕訳方法をしっかり覚えておけば問題ありません
仕訳の例は以下のようになります
例3)宣伝用にチラシを作成・配布し、かかった金額1万円については現金で支払った
この場合は「広告宣伝費(費用)」の勘定科目を使用します
広告宣伝費 10,000 | 現金 10,000 |
(費用の増加) | (資産の減少) |
例4)電気代5,000円について現金で支払った
この場合は「水道光熱費(費用)」の勘定科目を使用します
水道光熱費 5,000 | 現金 5,000 |
(費用の増加) | (資産の減少) |
例5)所属する商工会議所に会費3,000円を現金で支払った
この場合は「諸会費(費用)」の勘定科目を使用します
諸会費 3,000 | 現金 3,000 |
(費用の増加) | (資産の減少) |
例6)事務用の文房具代7,000円を現金で支払った
この場合は「消耗品費(費用)」の勘定科目を使用します
消耗品費 7,000 | 現金 7,000 |
(費用の増加) | (資産の減少) |
例7)店舗にかけている火災保険の保険料8,000円について現金で支払った
この場合は「支払保険料(費用)」の勘定科目を使用します
支払保険料 8,000 | 現金 8,000 |
(費用の増加) | (資産の減少) |
例8)1枚200円の収入印紙を20枚購入し現金で支払った
この場合の収入印紙は「租税公課(費用)」の勘定科目を使用します
租税公課とは税金の支払い費用のことです!
租税公課 4,000 | 現金 4,000 |
(費用の増加) | (資産の減少) |
この収入印紙は換金価値が高いこともあり期末での未使用分については資産の扱いに変更が必要です
この仕訳については下記項目にて説明いたします
貯蔵品
決算時点で手元に残っている郵便切手や収入印紙については「貯蔵品(資産)」の勘定科目に計上します(これにより貸借対照表に貯蔵品の項目として乗ります)
さらに翌期の期首時点で決算時の逆仕訳を行い、翌期の費用に含めるようにします
これを再振替仕訳と呼びます
仕訳の例は以下の通りとなります
例9)上の例8)で購入時した1枚200円の収入印紙について10枚が期末時点で残っていた
(決算整理仕訳)
貯蔵品 2,000 | 租税公課 2,000 |
(資産の増加) | (費用の減少) |
(翌期の期首の再振替仕訳)
租税公課 2,000 | 貯蔵品 2,000 |
(費用の増加) | (資産の減少) |
商品券
商品を売る際に、商品券にて支払いを受けることがあります
この場合は「受取商品券(資産)」の勘定科目を使うことになります
この商品券については発行元の団体に持って行けば換金することができます
仕訳の例は以下の通りとなります
例10)商品を5,000円で販売し、代金は商品券で受け取った
(商品販売時)
受取商品券 5,000 | 売上 5,000 |
(資産の増加) | (収益の増加) |
(商品券の換金時)
現金 5,000 | 受取商品券 5,000 |
(資産の増加) | (資産の減少) |
預り金
「預り金(負債)」とは他人のお金を預かっていること、すなわち負債となります
簿記3級の試験で扱う「預り金」については基本的に給料絡みの話となります
従業員が支払うべき所得税や社会保険料などを源泉徴収として給料から差し引き、従業員に代わって企業が税務署や社会保険事務所に支払うことになります
この源泉徴収分が「預り金」の扱いとなります
また社会保険料の支払いについては従業員だけではなく企業側も負担が発生します
この費用負担については「法定福利費(費用)」の勘定科目を用いて仕訳を行います
仕訳の例は以下の通りとなります
例11)従業員Aさんの給料は合計で30万円であり、このうち所得税は1万円、社会保険料(従業員負担分)は5万円となり、残額について当座預金より支払った(社会保険料の会社負担分は従業員と同額の5万円を計上する)
(給料の支払い時)
給料 300,000 | 当座預金 所得税預り金 社会保険料預り金 | 240,000 10,000 50,000 |
(費用の増加) | (資産の減少) (負債の増加) (負債の増加) |
(所得税と社会保険料の支払い時)
所得税預り金 社会保険料預り金 法定福利費 | 10,000 50,000 50,000 | 当座預金 | 110,000 |
(負債の減少) (負債の減少) (費用の増加) | (資産の減少) |
仮払金・仮受金
「仮払金(資産)」とは例えば従業員の旅費のように費用がいくらかかるか確定しない状況で事前に概算のお金を渡しておく場合などに一時的に使用する勘定科目となります
後日、費用の金額が確定した時点で仮払金の残高がゼロになるように仕訳を行い精算します
「仮受金(負債)」とは原因が不明の入金があった場合に一時的に使用する勘定科目となります
原因が分かった時点で適切な勘定科目に振り替えます
仕訳の例は以下の通りとなります
例12)従業員の出張前に旅費として10万円を渡した
後日、従業員が出張から戻り交通費について7万円の報告があり、残金について返金された
(旅費を渡した時)
仮払金 100,000 | 現金 100,000 |
(資産の増加) | (資産の減少) |
(旅費の精算時)
現金 旅費交通費 | 30,000 70,000 | 仮払金 100,000 |
(資産の増加) (費用の増加) | (資産の減少) |
保証金
会社の事務所などを借りる際には家賃の支払いとして「支払家賃(費用)」の勘定科目を使用します
また家賃とは別に敷金を支払うことがあり、これを「差入保証金(資産)」として仕訳を行います
簿記3級試験の場合には基本的には敷金は契約解約時に全額返金されるものとして資産扱いとなります
仕訳の例は以下の通りとなります
例13)事務所の賃貸契約の際に1ヶ月分の家賃15万円と仲介手数料5万円、敷金10万円を当座預金より支払った
(家賃支払い時)
支払家賃 支払手数料 差入保証金 | 150,000 50,000 100,000 | 当座預金 300,000 |
(費用の増加) (費用の増加) (資産の増加) | (資産の減少) |
(賃貸契約の解約時)
当座預金 100,000 | 差入保証金 100,000 |
(資産の増加) | (資産の減少) |
前回・次回の内容紹介
前回は簿記の勘定科目の「商品売買」に関する解説をしております!
次回は「純資産」に関する解説をしております!
簿記3級試験の受験情報
受験情報につきましては以下の記事にて解説をしております!
スケジュールに合わせた目標設定が大事!
簿記の活用方法
簿記の知識を有効活用する方法については以下の記事にて解説をしておりますので、ご興味がありましたら参照いただけますと幸いです!
参考動画のご紹介
下記のyoutube動画を参考にさせていただいておりますので、ご興味のある方はご参照くださいm(_ _)m
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