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【外国人材の生活支援】No.09 ゴミ出しは4つの確認で教える ― 何の日・どの袋・いつまで・どこに

朝のゴミ集積所で、外国人材の女性がスマートフォンで写真を撮り、支援担当者がゴミ袋を持って見守っているイラスト ビジネス勉強会

No.03では、ゴミ出しが何度言っても直らない理由を書きました。仕事のルールと違って見本も繰り返す機会もないこと、ベトナムで家庭ごみの分別が義務になったのは2025年であること、そして日本のルールは自治体ごとにバラバラであることです。

今回は、いよいよ具体的な教え方です。

分ける理由は「設備の都合」として話す

最初に、分ける理由を言葉にしてください。ただし、道徳の話にしないことが大切です。

「日本人はきれい好きだから」と言うと、相手は「自分は汚いと言われた」と受け取ります。面子の問題が起きます。

代わりに、設備の都合として説明します。

「ゴミは種類ごとに、燃やす場所やリサイクルする場所が分かれています。混ざっていると、決められた方法で処理できません。だから分けます」

処理の仕組みは自治体によって違うので、あなたの自治体の案内に理由が書いてあれば、その言葉をそのまま使ってください。設備の話として説明すれば、誰の人格も傷つきません。

教えるのは「その集積所のルール」

No.03で書いたとおり、日本には統一されたゴミのルールがありません。「日本ではこうです」と一般化した瞬間に、どこかで嘘になります。

だから、教えるべきなのはその集積所の、その曜日の、その袋のルールです。

4つの確認を、この順番で埋める

ゴミ出しに必要なのは、次の4つです。この順番で埋めてください。

1. 何の日か(種類から入る)

「水曜日は燃えるゴミ」ではなく、「生ごみを出す日は、水曜と土曜」と言います。相手の頭にあるのは手元のゴミであって、カレンダーではないからです。

2. どの袋か

指定袋がある地域なら、実物を見せて、色と大きさを目で覚えてもらいます。どこで売っているかもその場で伝え、できれば一度、一緒に買いに行ってください。

3. いつまでか(時刻で言う)

「朝早く」では通じません。「何時から」「何時まで」の両方を、自治体の案内から数字で伝えます。前の晩に出すことを禁じている地域なら、「前の晩には出さない」も必ず添えます。動物に荒らされると、大きな苦情につながるからです。

4. どこに出すか

地図ではなく、現地に連れて行ってください。

この4つが埋まれば、ゴミは出せます。

来日3日以内に、15分だけ集積所まで一緒に歩く

もう一段、具体的にします。持っていくものは3つです。

  • 指定袋の実物
  • 今日出せるゴミ1袋
  • 本人のスマートフォン

現地に着いたら、次の順番で進めます。

  1. 袋を本人に置いてもらう
  2. ネットをかけてもらう
  3. 写真を3枚撮ってもらう(集積所の全体、看板、袋を置いた状態)

写真は本人の端末に残るので、忘れても見返せます。

帰り道で「次のゴミの日は、何曜日?」と聞いてください。答えられたら終わりです。答えられなければ、もう一度伝えて、帰ってから写真にメモを書き込んでもらいます。

この15分が、そのあとの3か月を変えます。

やってはいけない3つのこと

分別表を渡して終わりにしない

自治体の分別表はよくできていますが、日本語で漢字が多く、項目が数百あります。来日直後の人は開きません。

全種類を一度に教えない

最初に本人が覚えるのは、「生ごみ」と「それ以外」の2つで十分です。慣れてから、プラスチック、ペットボトル、缶、びん、紙と、1週間に1つずつ増やしていきます。

ただし、「それ以外」をまとめて集積所に出させてはいけません。 それは分別違反になります。寮の中に「それ以外」をためておく場所を決め、最初の2週間は、あなたか先輩が収集日に合わせて仕分けて出します。本人にはその場に一緒にいてもらいます。

電池やモバイルバッテリー、スプレー缶、ライターは発火の原因になるので、最初から別の置き場所にしてください。

袋の中身を人前で見せない

間違いを見つけても、人前で袋を開けて中身を示すのは避けてください。本人にとっては恥をかく行為です。個別に、あとで、静かに。「これは、こっち」と指さすだけで足ります。

そのまま見せる一言(日本語とベトナム語)

読み上げる必要はありません。画面を見せて、本人に指さしてもらってください。曜日や時刻は、あなたの地域に合わせて書き換えてから使ってください。

  • このごみを、この袋に入れてください。
    • Vui lòng cho rác này vào túi này.
  • 収集日の前の晩には、ごみを出さないでください。
    • Không mang rác ra điểm thu gom vào đêm trước ngày thu gom.
  • 分け方がわからないときは、ごみの写真を私に送ってください。
    • Nếu chưa rõ cách phân loại, vui lòng chụp ảnh rác rồi gửi cho tôi.

最後の一文が、実はいちばん効きます。迷ったときに聞ける先があると、捨てる前に聞いてくれるようになります。

まとめ

  • 分ける理由は、道徳ではなく「設備の都合」として話す
  • 教えるのは「その集積所のルール」
  • 何の日か・どの袋か・いつまでか・どこに出すか、の順で埋める
  • 来日3日以内に、15分だけ集積所まで一緒に歩き、写真を撮ってもらう
  • 最初は「生ごみ」と「それ以外」の2つから。ただし「それ以外」は最初の2週間こちらで出す

次回は、夜の音の伝え方と、現場でよくある失敗7つ、最初の3日間の進め方を取り上げます。

連載「外国人材の生活支援」目次

この連載のもとになった本

この連載は、拙著『なぜ、ゴミ出しだけが何度言っても直らないのか? 悪いのは「教えたつもり」だった 外国人材の生活ルールが届く設計』(Kindle版)の内容をもとにしています。

本では、生活ルールを「どの順番で、どう教え、どう確かめるか」を、ゴミ・自転車・夜の音・病院・災害・お金まで一冊にまとめました。本人にそのまま見せられる日本語とベトナム語の一言も、項目ごとに載せています。

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